[ti:名もなき女の詩] [ar:Sound Horizon] [al:9th Story CD『Nein』] [by:] [offset:0] [00:00.00]名もなき女の詩 - Sound Horizon (サウンドホライズン) [00:12.19]詞：Revo [00:24.39]曲：Revo [00:36.59]通り過ぎた遥かな灯が [00:45.78]落とした影に花は移ろい [00:54.51]乾いた風が撫でた女の肌に [01:03.42]深い皺を刻む [01:11.70]嗚呼朱い空を征く白い旅鳥よ [01:20.51]お前は辿りつくべき場所を [01:25.73]知っているのかい [01:29.11]嗚呼連れて行っておくれ [01:33.65]置いていかないで [01:37.91]声に出来ない声 [01:46.21]遠ざかる光に [01:50.20]手を伸ばした夜に [01:54.35]確かなものなど何ひとつ無く [02:02.19]逃げ込んだ儚い幻想 [02:07.30]舞い散る花びらの中 [02:11.91]笑う貴方と私と二人の [02:35.90]追憶に揺れる可憐なる [02:43.38]其の朽花に [02:47.11]咲き誇るバラは永遠に届かない [02:58.59]然れど然れど唯一輪 [03:04.45]この世の常ならざる [03:08.27]薔薇がある [03:10.31]冬枯れの世界を常春が如くに [03:15.86]照らし賜う美は誰ぞ [03:19.60]其れぞ我らが女王陛下 [03:52.78]わぁー [03:53.16]粉挽き屋の旦那に聞いたんスけど [03:55.38]うちの親方がモテなさ過ぎて [03:56.77]とち狂って遂に [03:57.54]女かどわかして来た [03:58.51]ってマジっスか [03:59.53]ってヤッベマジだッ [04:00.36]馬鹿野郎 [04:01.67]おぉ気が付いたかい [04:04.57]アンタ [04:06.05]この水車小屋の近くの森で [04:10.13]倒れていたところをよ [04:13.06]ここに運び込んだのさ [04:17.13]でスよねぇ [04:18.57]やぶ医者の奴の話では [04:22.87]過労と栄養不足だろうってさ [04:27.99]このままじゃ危なかった [04:32.18]だろうってさだが [04:34.95]彼は笑って [04:36.67]何か取り出した [04:39.09]あんた本当にツイてたなさぁ [04:43.19]遠慮はいらねぇどんどん食えよ [04:47.33]パンなら売るほどあるんだ [04:51.80]って [04:53.16]まぁパン屋っスからねぇ [04:55.90]いい食べっぷりだなぁ姉さん [04:57.66]Tres bon [04:59.11]そんな経緯で [05:00.13]命を取り留めた私だったが [05:02.16]ある心境の変化に戸惑い [05:03.88]愕然とした後 [05:05.17]不思議と前向きに [05:06.25]生まれ変わったような気持ちで [05:07.77]暫しパン屋さんのお仕事を [05:09.36]手伝うことにしたのであった [05:11.30]パン屋の朝は本気でヤバいぜッ [05:15.24]鶏より太陽より早起きで [05:18.22]生地を [05:19.18]捏ねる捏ねる捏ねる [05:22.41]寝る [05:23.50]ウチのパンは生地がウマいぜッ [05:27.27]麦の種類粉の挽き方 [05:29.14]水に至るまで [05:31.33]拘る拘る拘る割る [05:35.71]風土の関係で我が国の小麦は [05:39.38]他国の様には [05:41.25]ふっくら膨らまないけど [05:43.51]外はパッリパリ中はモッチモチ [05:47.53]工夫次第じゃ [05:49.20]まだまだ美味くなる [05:51.44]ウチのパンで [05:52.66]皆の腹をパンパンに [05:54.73]してやるぜッ [06:03.45]焼き上げ時の指示はムズいぜッ [06:07.12]長くてもだめ短くてもだめ [06:09.41]石窯と睨めっこ [06:11.08]様子見様子見様子見 [06:14.29]炭 [06:15.44]口は悪いが腕は悪くない [06:19.58]顔も悪いがそれは [06:21.89]「放っとけよ」 [06:23.60]場所は帝都パリ美味さは論の勿 [06:27.58]Boulangerie de besson [06:29.36]看板が目印 [06:31.51]ウチのパンで [06:32.79]お前の腹もパンパンに [06:34.78]してやるぜッ [07:00.51]逢う方なき影追う日々の [07:06.16]光を見失い [07:12.26]傷を負う程に老う事に [07:18.05]疲れたのかも知れなかった [07:24.07]倒れる以前の私ならきっと [07:30.31]這ってでも旅を [07:33.03]続けたのでしょうね [07:36.07]口ずさむ歌でも [07:39.60]あれは違ったの [07:42.71]薄情な女ねけれど [07:49.72]人並みの幸福を [07:53.04]願ってはいけませんか [07:56.20]ふゆを乗り越え [07:58.48]咲くのが花の命だもの [08:02.17]もし此れが借り物の物語 [08:06.28]だとしても [08:08.62]はるのひかりを [08:10.51]浴びて散りたい